スタヂオポンテ主宰・カリグラファー初島さつきさんによる“typography”シリーズ1&2開催を終えました。
1回目は、文字道代表の伊藤義博氏を迎え、『写植機の体験』
2回目は、前田年昭氏を迎え、『組み継ぎ本』の製本
それぞれ、長く印刷に関わってこられたお二人の印刷や本への造詣の深さに触れる貴重な機会となりました。
10月15日(土)&16日(日)『写植ってなに?写植機体験ワークショップ』
東京から来た写植機、SHA-KEN の『SPICA-AH』が鎮座
九州ではなかなか目にすることのできない機械です。
文字道で所有する文字盤=プレートも、一部持ってきていただきました。
2,862文字の大きなプレートは、一枚、50,000〜70,000円とか
軽快に文字をタイピングしていく伊藤さん
文字を探すというより覚えている、という感覚とか
この日は、自分の打ちたい文字を見本から探し、お目当てのプレートを探してスタンバイ
印字は写真のネガと同じように現像します。
文字が浮かび上がってくる瞬間はワクワクします。
スタヂオポンテの初島さんと伊藤さん
「写植でしかできないこと、まだまだ可能性がある、アートとしての写植の表現、とかね。」
長く印刷業界に関わり、写植の隆盛、衰退を見てきた伊藤さん。
アメリカに渡り、コンピューターの時代を予見、いち早く組版に取り入れるなど、これまでの印刷人生で培ってきた行動力と情熱は、今も伊藤さんを突き動かしているようです。
来年は、新しい展開を始められるそうです。
またKでもお知らせさせていただきたいと思います。
11月5日(土)『近代日本の印刷と本の歴史、組み継ぎ実習』
前田年昭氏を迎え、『組み継ぎ本』の製本を実際に体験しながら、日本の近代における印刷や、本の歴史を伺うじかん。
神戸芸術工科大学で組版講義を担当されている前田さん
『組み継ぎ本』もその講義の中で生まれたそう
この日は、前田先生のガイドで実際に「紙を組み継ぐ」実技を行いながら、印刷や本にまつわるお話を伺うことができました。
180℃開く、ホチキスやノリ、テープを使わない、つまり劣化することのない製本。
構造の簡潔さ、製本の美しさ。手を進める皆さん、どなたも失敗などなく、綺麗に作業を終えられていました。
小学生の頃、新聞記者に憧れ、70年代に新聞記者の道へ。
文章整理部という、“校閲”=校正より更に記事の内容に関わる役割を、活版、写植、DTPと変遷する新聞業界の真っ只中で経験してこられた前田さん。
表現と伝達の手法である文字を伝える仕事をしたい、という思いで、印刷や、本には、並々ならぬ思いがあります。
「人は、文字を刷り、紙を綴じて本をつくることで、自分を知り、他人を知り、社会を変えてきた」
「紙の本は完成されたメディア、自分の経験を人に伝え、自分以外の人の経験を手にすることができる」
「伝えたいという思いを文字にして、印刷することは、みなさんの権利です。組継ぎ本を作って、想いを伝えることに役立ててください」
静謐で簡潔な製本=組み継ぎ本考案の背景には、前田さんの温かな思いがありました。
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次回『タイポグラフィーシリーズ3』は
いよいよ!『タイポグラフィー入門』
デザイン、アートなどにとどまらず、幅広い分野の人々の
大学の芸術学部で長年ご専門のタイポグラフィを教えてこ
10:30-12:30
【定員】 16名
【参加費】2,500円
【持参物】
カーペンターペンシルをお持ちの方はご持参ください
お持ちでない方は、当日スタジオでご用意します(200
お申し込み時にコメント欄に「ペン購入希望」とご記入く