投稿者: yumiko koga
2017.8.26-28『クリーニングデイ福岡』vol4 開催レポート
フィンランドから日本へ拡大しつつあるリサイクルカルチャーイベント!
8月26日全国同時開催でした!
『クリーニングデイ福岡』4回目は、Click Coffee Works と、モノ作りをする人たちで3日間開催。今回のテーマは、「コーヒー」に加えて「紙」と「布」でした。
2017.8月 活版印刷で『帳面』ができるまで
フィンランドから日本全国に広がるアップサイクルカルチャーイベント『クリーニングデイ』が広がっていくことを願って、2016年5月から開催をしています。
今回、『クリーニングデイ福岡vol4』に際して、“アップサイクル”を体現するモノを作りたいと考えて制作したのが、『帳面』でした。
そもそものきっかけは、私が活版印刷に興味を持ち、3年ほど、鳥飼にある『文林堂』さんに足を運んでいたことから。
店主の山田さんは、昭和20年代の活版隆盛期、まだ一桁の歳の頃から、家業である印刷所の仕事を見てきた、印刷のプロフェッショナル。
昨今の活版印刷ブームにのってしばしば注目を浴びている山田さんですが、印刷全般が好きで、活版を含めた印刷の持ち味を使い分けるバランス感覚を持った“印刷職人”
「紙」には、定型の大きさというものがあります。
印刷の過程で、形を整えるために断裁した上質紙の紙片を、サンプル作りや、再利用のためにストックされているのを見せてくださいました。
「これ、使ってもいいですよ」熱心に見ている背中に、山田さんの鶴の一声。
そして、印刷所の壁を埋め尽くす 「活版」
“版”を“活かす”と書いて=「活版」
アップサイクルなモノ作りは、ここから着想しました。
断裁紙片の形をそのまま活かして、活版で印刷して価値を引き上げる。
使う人によってフレキシブルに使える形状にすれば、さらに価値が高まります。
昔、祖父母の家で『帳面』と呼んでいた大福帳の姿がすぐに浮かびました。
今回使わせていただいた版は、佐賀県の印刷所の跡で、竹やぶに覆われた保管所から救い出されたもの。引き取ってから初めて使用するというもので、山田さんもまだ、版の把握をしきれていないということ。
抜けてしまっている字もあり、あるもので版組みをすることにしました。
版を探すのは、素人にはものすごく難しい作業。
どうしても自力で見つけきれない文字があると、ものの数十秒で山田さんが見つけてくださいます。
版を組みます。自分で組むののは初めての体験です。
今回使用させていただいたのは、アルビオン型手引き印刷機
明治時代に外国製を模して作られた日本製。鋳物の堅牢な機械の所々に補修の跡。大事に使われてきたことがわかります。
これまでこの機械で数々の大切なお仕事をされているのを目にしていたので、ちょっと汗が出てきました。
セットの仕方、印刷位置の調整の仕方などを教えていただき、いざ印刷です。
コーヒー好き、コーヒー屋さんの雑記帳として作った
「コーヒーがうまかバイ!」バイがカタカナなのは、ひらがなの版がなかったからです。
「甘苦薫美」の4文字は、私が考えるコーヒーと人生の楽しみ
一枚一枚から笑い声の聞こえそうな帳面
「紙」の魅力「紙」という文字もまた素敵です。これは全ページに印刷しました。
常々「白黒つけない」ということを大事にしています。
この2つの丸い版が目に飛び込んできたので組んでみました。
印刷したものを乾かします。
3日間、とにかく毎日印刷しました。楽しくて没頭しました。
1,000枚は印刷しました。
それぞれ束にまとめながら穴を開けていきます。
ここまでは文林堂さんで作業させていただきました。
そして『スタヂオポンテ』に移動
主宰の初島さつきさんのアトリエ兼、お教室でもあります。
プロのカリグラファーでもある初島さんは、イギリスでブックバインディングを学ばれています。
シンプルな『帳面』とはいえ、プロの手が入ることが大事でした。
久留米絣や、上質なリネンのハギレを使い、温かみのある『帳面』の完成です。
『クリーニングデイ福岡vol4』当日は、使用した活版も一緒に展示。
「これはハンコですか?」などのご質問も受け、動画を見せたりしながら活版印刷のお話ができました。
手間暇かけたモノ作り。とても貴重な機会となりました。
断裁紙片のかたちそのままを、活版の魅力でより価値高く、日常の雑記を楽しくという、今回の“アップサイクル”なモノ作りは、ご購入いただいた方から嬉しいコメントをいただけたことで、ひとまず成功と言えます。
8/26sat.27sun.28mon開催!!クリーニングデイ福岡vol4!福岡でつくるアップサイクルな3日間
フィンランドから日本へ拡大しつつあるリサイクルカルチャーイベント!
8月26日全国同時開催です。
『クリーニングデイ福岡』4回目も、Click Coffee Works と、モノ作りをする人たちで3日間開催します!
〒福岡市中央区白金1丁目18-23
【アップサイクルって?】
このイベントでテーマにしている「アップサイクル」とは不要なモノに新しい価値を与えて次の人にバトンすること。特別なことではなく、普段から、そして昔の方の知恵の中でも実践しているようなことがいっぱい。
今回は、初回からの「コーヒー」に加えて、「紙と布」が新たなテーマに加わります。
◼︎UPCYCLE MARKET(物販)◼︎
・コーヒーグッズ by Click Coffee Works
福岡県内のコーヒー店より、コーヒー器具やアイテムが大集合!(中古新品両方あり)
ご好評の、ドリップバッグのセットも販売(参加協力:15店舗予定)
※写真はvol2&3 開催時のものです
・紙と布が今回のアップサイクルテーマ
特製「帳面」 …活版印刷した断裁紙片をブックにして販売
協力:文林堂、スタヂオポンテ
ハギレ 縫製過程で出るハギレ
福岡県内のモノ作りをしている方々より集まりました。
・再生自転車 「つくし学園」さんによるお得でアップサイクルな自転車たち
前回も好評でした。今回は、スポーツタイプ×2台、ブリジストンのカゴ付きシティタイプ×2台、折り畳みタイプ×1台の予定 ※写真はvol2&3 開催時のものです。
UPCYCLE WORKSHOP
『簡単にできる製本』 by スタヂオポンテ・初島さつきさん
非売品のアップサイクルな紙を使って、カンタンでカワイイ、ブック作り。 親子でもぜひ!(10歳くらいのお子様からチャレンジ)
【日時】 8月27日(日)のみ開催 ①11:00-12:30 ②13:00-14:30 ③15:00-16:30
【お申し込み】各回予約者優先で材料を確保します(予約:http://keitime.com/evententry)
【参加費】1,500円〜(刺繍糸、ビーズなどのパーツは自由にお使いいただけます)※当日購入されたハギレをさっそく使うのもおすすめです。
【予約】不要
開催レポート 7.30sun 『手紙のじかん』佐々木亮平とガラスペンアートの世界
毎年、夏の『手紙のじかん』は、“ガラスペン”がテーマ
今年、ガイド役としてお迎えしたのは佐々木亮平さん。
自身の作品でも愛用しておられる、ガラスペンとインクを使ってアートワークを楽しむご提案をしていただきました。
まずは佐々木さんによるデモンストレーション。
違う色のインクを馴染ませていく方法、水を使って濃淡を出す。
など、通常“筆記”に使うガラスペンとインクが今日は“描画”の画材となります。
今日のメインは、「大人の塗り絵」
佐々木さんのご提案は、隣の方と繋がっている絵。
5枚セットになっているので、隣の方とインクの色やタッチを相談しながら塗り絵を楽しむ仕掛けになっています。なんとも粋ですね。
使用インクはPILOTの色彩雫シリーズの24色。
「秋桜」や「霧雨」など、インクの色を相談する言葉のやりとりが美しいのも、このインクの楽しみの一つ。
リンデカルトナージュさんにもこの時期ガラスペンが充実します。
これまでに購入された方はご持参いただき、改めて楽しみを広げてくださったよう。たまたま隣り合わせたお三方のペンが同型のCipin(ドイツ製のガラスペン)だったのも面白い偶然でした。
「大人の塗り絵」鳥の他に、もう一つはお花を。
同じインクでも、水を使って濃淡が出せるだけでなく、色に隠れていた“色”が出てくるのに驚きでした。黒だと思っていた「竹墨」に緑が隠れていたり!
水で延ばしたインクを吸い取った紙も美しい!このまま額装してもステキですね! 隣の方と、尻尾の色や枝の色などを相談し、インクや筆致についてお話ししながら和やかに進んだ『手紙のじかん』
最後は恒例の写真撮影会。
美しい鳥がたくさん集まりました。
こんな森があったら行ってみたいですね。
次回の『手紙のじかん』=======>>>
8月はリンデでのじかんはお休みとなります。(瀬口さんベルギーへ!)
8月27日(日)は、K主催の『クリーニングデイ福岡』の中で、初島さつきさんによる、カンタンで可愛いブックバインディングを開催します。詳細はこちらのHPにてご案内しています。
お申し込み:http://keitime.com/evententry
9月、10月は、リンデ店主・瀬口さんと、佐々木亮平さんのコラボイベントを予定しています。
まだまだ秘密ですが、書くことが好きな方には絶対喜んでいただける企画も、年内企み中です。
随時、リンデカルトナージュHP http://linde-cartonnage.com
KのHP、Facebook、Instagramにてお知らせしていきます。